2009年3月28日土曜日

食の安全

 スウェーデンでも日本と同様に「国産」のものがあふれています。でも、国産で確保できる安全は、主に各種基準の設定やトレースアビリティといったところ。事故や事件のリスクを一定程度下げられても、それ以上の対策を取るにはコスト的な限界や、「産地偽装」のように防ぐための人的リソースに限界があるものもあります。安心感はあっても、安全かどうかは食べた後でなければ分からないのが怖いところ。今までの自分の経験則からいくと、中国産のものを食べて何かまずいことになる確率よりも、使い古しの材料でやばいことになる確率の方が高め。そんなわけで、アジア向け食材店でもあまり気にせずに買ってしまいます。

 日本のイメージからすると、スウェーデン=社会保障の充実みたいな感じだけど、何かあったときに国籍法改正みたく規定や制度そのものに疑問を投げかける言説がないわけではありません。ここのところの実質的な社会保障の削減のための政策は、主にそうした「制度を欺く奴がいるから制度をなくしてしまおう」というどうも困ったねとしかいいようのないレベルの主張の産物。法律で決められる限界は何が正しくて何が間違っているかであって、それを欺く人の意志までは統制出来やしない。防ぐには制度だけじゃなくて人的リソースとその予算が必要であって、そんな予算はかけるつもりがないから制度そのものをバッサリと。でも法律が間違っていることと、間違ったことをやる奴が出てくる法律があることは全く別、というか法律はむしろ何が間違いかを規定するもの。その意味で、事実上の不正義と法律上の不正義がごっちゃになって扱われてしまうのは、程度の差はあれどこの国でもあるのでしょう。

 話を戻すと、スウェーデンでは国産お隣デンマーク産冷凍チキンにガラス片が混入していて回収騒ぎに。前回、デンマーク産の豚肉にサルモネラ菌が基準値以上に入ってたときには、お肉の値段がかなり下がったので、ちょっぴり期待。いやいや、厳しいときこそ生産者を応援します、なんてね。

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