2010年9月20日月曜日

スウェーデンの総選挙(2)

この1週間、学校やら選挙関連のニュースを読むのやらで忙殺されております。投票・開票が9月19日、というわけで選挙速報やら何やらを本日もチェック。選挙の大きなポイントとしては

1.現政権のAlliancen (M+C+FP)が勝つも過半数に届かず

2.社会民主党(S)は歴史的敗北も第一党の座はかろうじて守る

3.移民排斥を訴えるスウェーデン民主党(SD)が議席を獲得(約6%の得票)

特に3について、勢力が拮抗している現状において、SDに相当な存在感を与える結果となっています。彼らの移民や外国人排斥に関する理屈は日本のそれと同様で、どうしようもない統計とロジックの使い回し。問題は、選挙に至る前の段階で(特に現政権が)正面から議論を行わず無視していたことにあるのかもしれません。

現政権の立場はリベラルで、KKK(アメリカの極右団体) にも言論活動や政治活動の自由があるという立場と基本的には同じ。この点に関しては、自分も同意する範囲。問題はそのあとで、政治的議論の中で解決ないし論駁するべき話にもかかわらず、特に何か議論するわけでもなく。挙げ句の果てに「SDが政策決定で重要な位置を占めないようにSやMPといった野党が(政権党に協力することで)責任を取るべき」だそうで、完全に人任せ。いや、正直この国の将来を考えると頭が痛くなります。

今回のSDへの投票行動としてはM→SD、次いでS→SD。SDはMälmö を除いた都市部での得票は総じて低いものの、全体として底上げされた感があります。若者・男性が主流で、思想(と呼ぶに値するかは別に)・潮流的にはドイツ、コンプレックスを伴った選民思想。

1. 外国人は(特に凶悪)犯罪の増加要因

→日本のそれと同じく統計学的に優位ではない

→届出件数と犯罪発生件数は一致しない

    →犯罪者の国籍よりも、収入や教育・居住エリアに強い連関が認められる

→法律の解釈や捜査手法・能力の変遷が犯罪の増加要因の一つである

→アルコールの摂取量の増加にも(国籍以上の)連関が認められる

2. 外国人は物理的・文化的・民族的にスウェーデンを汚している

    →影響がいやなら家に引きこもってくださいというレベル

→日本のそれと同じく純粋なスウェーデン人がいると信じている

    →外圧による変化は全て強制されたという被害妄想

3. スウェーデン語をしゃべらない

    →んで?というレベル

特に3に関しては、正直ん~という感じ。確かに理解の出来ない言語でしゃべられるとコミュニケーションが取れなくて困るというのは分かるけど、意思疎通を図りたい人間が勉強すればいい話で、自分が他の言語を勉強せずに、他の人に自分の言語を勉強してもらう権利があると思ってるのなら、それはもうどうしようもない話。それとは別に、分からない事による恐怖というのが、大きいのかも知れません。他にも突っ込みどころ満載だけど、それに構っているほど時間があるわけでもないので、またそのうち。

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